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2024年5月9日(木)

防衛省設置法等改定案

山添議員の質問(要旨)

参院本会議

 日本共産党の山添拓議員が8日の参院本会議で行った防衛省設置法等改定案に対する質問の要旨は次の通りです。


 本法案は、安保3文書に基づき、陸海空自衛隊の実動部隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を創設しようとしています。

 米国は、自衛隊の統合作戦司令部設置に合わせ、在日米軍の司令部機能を強化する調整に入ったと報じられています。インド太平洋軍の司令部を東京・横田基地にある在日米軍司令部に移転し、横須賀を拠点とする米海軍「第7艦隊」や沖縄を中心とする米海兵隊を含め、作戦や指揮統制を担わせる計画ですか。東京に日米の司令部機能が集中し、シームレスな「統合」の結節点となれば、攻撃する側にとっては標的とする口実になります。そのリスクをどう考えていますか。

 防衛相は、自衛隊と米軍はそれぞれ独立した指揮系統により行動すると繰り返す一方、日米で緊密に連携する、指揮統制のあり方も連携の強化を高めていく、と述べています。日米が「緊密に連携」した指揮統制の下に共同対処すれば、武力行使は一体化しています。自衛隊の武力行使が必要最小限度の範囲を超えない保障はどこにありますか。

 敵基地攻撃における日米共同対処のオペレーションは、目標情報の共有、攻撃する目標の分担、成果についての評価の共有のそれぞれで日米が協力すると想定されています。情報、装備とも圧倒的に優位に立つ米軍に、事実上従うほかないのではありませんか。

 本法案は、日英伊3カ国が共同開発を進める次期戦闘機の開発・生産・輸出を管理する国際機関(GIGO)への防衛省職員の派遣を可能とするものです。

 次期戦闘機の開発・生産・輸出にあたっては三菱重工、IHIや三菱電機など主な受注企業がすでに決まっています。次期戦闘機とその輸出は、安保3文書で位置づけられた軍需産業強化の方針に基づくものです。派遣される職員は、受注企業の利益を最大化するために働くことになるのではありませんか。

 本法案は、陸海空を問わず自衛隊が必要とする輸送を行う自衛隊海上輸送群を新編し、その任務に当たる自衛官の権限強化を定めています。海上輸送力の強化の対象となる南西地域では、民間港湾における軍事利用を平時から強める「特定利用港湾」の計画が進められています。海上輸送群も、こうした民間港湾を平時から利用する予定ですか。

 本法案は、自衛官の人材不足を理由に、任期付自衛官の導入や予備自衛官の任用期間の延長を盛り込んでいます。「自衛官の人権弁護団・全国ネットワーク」が昨年行ったウェブアンケートには、当事者やその家族などから2カ月で144件の相談が寄せられました。パワハラが8割を占め、セクハラやマタハラも見られます。自衛官の人材不足は、組織のあり方そのものの問題に加え、大軍拡により戦争する部隊に変容させていることに要因があるというべきです。


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